日本食品微生物学会雑誌
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調査
小規模食鳥処理場における鶏肉のカンピロバクター汚染とその対策
小野 一晃安藤 陽子尾関 由姫恵柳川 敬子中川 俊夫
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2007 年 24 巻 1 号 p. 44-48

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抄録

埼玉県内3施設の外むき解体方式の「認定小規模食鳥処理場」において, 解体作業前後で鶏肉のカンピロバクター菌数を比較したところ, いずれの処理場においても作業終了後に菌数の増加が認められた. 特にささみについては, 解体作業開始前には菌汚染が見られなかったことから, ささみの取り外しは別の作業台で, まな板, 包丁などの使用器具や手指を十分に洗浄・消毒してから行う必要があることが示された. また, 食鳥と体の腸内容物中のカンピロバクター菌数はいずれも高かったことから, 作業開始前に食鳥と体の総排泄腔付近を十分に絞り込んであらかじめ糞便を取り出し, 解体作業中の漏出が起こらないように注意する必要があることが示された. 作業を中断して使用器具の洗浄・消毒を行うのは現実的には難しい状況にあるが, まな板を複数枚用意し, 消毒済みのものに交換するだけでも鶏肉の菌汚染を防ぐ効果があることが示された.

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