日本食品微生物学会雑誌
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原著
Campylobacter (cdt gene) PCR Detection and Typing Kitによる市販鶏肉からのカンピロバクター属菌の検出
四良丸 幸井上 春奈西川 明芳朝倉 昌博松久 明生山崎 伸二
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2012 年 29 巻 4 号 p. 197-207

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抄録
Campylobacter (cdt gene) PCR Detection and Typing Kit (以下,Campylobacter PCR Kit) が食品からのカンピロバクターの迅速検査に有用であるかを評価するために,市販鶏肉およびカンピロバクターを接種した鶏肉検体から分離培養法およびCampylobacter PCR Kitを用いて検査を行った.2種類の増菌培地と3種類の分離培養法の組み合わせで市販鶏肉24検体中,21検体と7検体からC. jejuni, あるいはC. coliが分離された.そのうち通常の食肉検査に用いる培養法,すなわちBoltonまたはPreston培地とmCCDAの組み合わせでではC. jejuni, あるいはC. coliが分離された検体のうちC. jejuniおよびC. coliがそれぞれ19検体(90%)および5検体(71%) から分離された.一方,Campylobacter PCR Kitを用いるとC. jejuniに関してはPrestonによる24時間の増菌培養でC. jejuniが分離された21検体のすべてからC. jejuniを検出することができた.C. coliに関してはBoltonとPrestonによる48時間の増菌培養の組み合わせでC. coliが分離された7検体のうち6検体からC. coliを検出することができた.また, C. coliが分離されなかった1検体からCampylobacter PCR KitではC. coliを検出することができた.さらに,スパイク実験より精製DNAとCampylobacter PCR Kitを用いることで,102オーダーの菌を増菌培養開始後24時間以内に菌種特異的に検出できた.以上の結果よりCampylobacter (cdt gene) PCR Detection and Typing Kit はカンピロバクターの迅速検査として有用であると考えられた.
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© 2012 日本食品微生物学会
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