食品と微生物
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築地市場に流通する生食用むき身貝類の腸炎ビブリオ検出状況と分離菌株の血清型 (1987. 4~1990. 3)
阿部 則雄松隈 享扶野本 敏秀金井 日出夫
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1991 年 7 巻 3 号 p. 187-190

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抄録

1987年4月から1990年3月までの3年間に, 築地市場に入荷した生食用むき身貝類の腸炎ビブリオ汚染について調査を行い, 次の結果を得た.
1) 腸炎ビブリオは, 5月下旬から検出され始め, 11月から12月上旬まで認められた.
2) カキの腸炎ビブリオ汚染は, 10月 (汚染率22~47%), 11月 (汚染率21~42%) でも高率に汚染されており12月でも検出が見られた.
3) 生食用むき身貝類の腸炎ビブリオの汚染菌量は, 汚染率の高い8月では93% (27/29検体) が102~104/100g以上であった.
4) 各検体から分離した腸炎ビブリオ316株のK血清型は, 186株 (58.9%) が41種のK血清型に型別された. このうちK32が最も多く, 毎年11~18%を占めていた.

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