日本食品微生物学会雑誌
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水質検査における酵素基質培地の適用と本培地により検出された大腸菌群の菌種の検討
上田 修鈴木 敦子松江 隆之池田 なほみ市瀬 正之天野 祐次寺山 武
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2003 年 20 巻 3 号 p. 111-116

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抄録
飲料適否試験目的で供試された検査材料をXGM培地により試験し, 大腸菌群陽性を示した112検体を用いてLB培地との比較を行った.また, XGM培地を通して分離された大腸菌群の菌株について同定試験を行い, 菌種を把握するとともに, それら菌株のLB培地における性状を検討した.
年度別に見た飲料水からの大腸菌群検出状況では, 採用する検査方法の違いにより有意差が認められた.
XGM培地において大腸菌群陽性を示した112検体を用いてLB培地による大腸菌群検査を比較した結果, 両者一致率は65.2%と低い値を示した.
XGM培地陽性検体から大腸菌群を分離し, 菌種同定を行った結果, Enterobacter属が全体の29.6%を占め, 次いでCitrobacter属25.9%, 以下, Eschrichia属13.2%, Aeronzonas属11.6%, Klebsiella属7.9%, Serratia属5.3%であった.
XGM培地において大腸菌群陽性を示した分離菌株189株のうち, LB培地で陽性を示したものは114株, 両者一致率は60.3%であった.
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