日本食品微生物学会雑誌
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リンゴ果実の腐敗に関与するPenicillium expansum O-385-10の生産するキシラン分解酵素の精製と諸性質
大野 信子福田 晴美木村 聡一郎金賢 雄高橋 治男天知 誠吾篠山 浩文藤井 貴明
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2004 年 21 巻 4 号 p. 260-268

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抄録
リンゴ果実の腐敗に関与するPenicillium expansumt O-385-10の液体培養上清液から, キシラン分解酵素 (キシラナーゼI, キシラナーゼII, β-キシロシダーゼ) を電気泳動ならびに等電点電気泳動的に単一なまでに精製した.キシラナーゼI, キシラナーゼIIおよびβ-キシロシダーゼの分子量はそれぞれ, 21.0, 40.0, 91.0kDa, 等電点はそれぞれ, 9.20, 4.30, 4.20と算出した.キシラナーゼIは, キシランから少量のキシロースおよび多量の数種のキシロオリゴ糖を生成した.これに対して, キシラナーゼIIは反応初期から主にキシロースやキシロビオスを生成し, キシロトリオース以上のオリゴ糖はほとんど生成しないことがわかった.K+イオンによりキシラナーゼIの活性は約2倍に賦活化された.一方のキシラナーゼIIは約80%まで阻害された.これらの精製酵素をリンゴ果実に作用させた場合, キシラナーゼIやIIだけではリンゴからの還元糖生成はほとんど見られなかったのに対し, β-キシロシダーゼを同時に作用させることにより果実からの遊離還元糖が著しく増加してきた.
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