2006 年 70 巻 1 号 p. 10-15
東北南部海域におけるマアナゴ葉形仔魚の来遊時期およびその海洋条件を明らかにするために,1993–2002年の茨城県大洗における船曳網CPUEの経日変化を調べた.葉形仔魚が漁獲される時期は2月から6月にかけての期間であったが,漁獲期間および盛漁期は年によって大きく異なっていた.葉形仔魚のCPUEは,水温が10度未満の時には,いずれの年もほぼ0であった.最も高いCPUEの値が見られたのは10度から15度にかけての範囲にあり,15度以上では水温が高くなるにつれて減少し18度以上になると0になった.2001–2002年に漁獲された葉形仔魚の発育段階を調べたところ,4月中旬までは変態前の個体が大半を占めたが,水温が15度近くに上昇する4月中旬以降は,変態期の個体が大半を占めた.以上のことから,東北南部海域においてマアナゴ葉形仔魚は、主に表面水温が10–15度であるような海洋条件の時期に来遊することが示された.