2006 年 70 巻 2 号 p. 105-113
水辺林が水産資源の涵養に果たす役割を明らかにするため,北海道濃昼川河口域において落ち葉の堆積状況を明らかにするとともに,底生動物相とクロガシラガレイ若齢魚の食性を調査した。その結果,本河口域には落ち葉堆積場が周年観測され,年間堆積量は25.8 kg-C ·m-2と試算された。また,落ち葉堆積場では周年を通してトンガリキタヨコエビが28.9~35.4%の編組比率で優占しており,これらは落ち葉堆積場周辺の砂泥底には分布していなかった。さらに,本河口域には周年を通して全長180mm以下のクロガシラガレイ若齢魚が生息し,このうち全長70~100mmの当歳魚はトンガリキタヨコエビを主食としていた。これより,本河口域に形成される落ち葉堆積場はクロガシラガレイ当歳魚の餌場として重要であり,餌料供給の観点から水辺林が水産資源の涵養に寄与していることが明らかとなった。