2015 年 79 巻 4 号 p. 255-265
瀬戸内海周防灘において,Ecopath with Ecosimを用い,多魚種,多漁業を一括対象とした資源解析を行った.食性調査と文献情報を用いEcopathを構築し,Ecosimにより効果的な漁業管理方策を検討した.小型底曳網による漁獲と投棄,刺網,定置網,その他の漁法による漁獲を考慮し,漁法ごとの漁獲死亡と小型底曳網の混獲死亡の削減効果を試算した.すべての漁法で漁獲量が現状より増加するのは,小型底曳網の混獲死亡を削減した場合のみであり,小型底曳網の混獲投棄の削減の有効性が示唆された.多魚種,多漁業や海域全体の管理について検討する際に,複数の管理方策とその効果を例示し,議論の材料を提供する有効な手法になると考えられた.