水産海洋研究
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原著論文
伊勢湾における底層溶存酸素量の変化に伴う大型底生生物の小型底びき網への入網状況
日比野 学 青山 高士松澤 忠詩谷 光太郎
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2015 年 79 巻 4 号 p. 266-276

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抄録

溶存酸素の変化に応じた大型底生生物や漁業に及ぼす影響を明らかにするために,夏季の伊勢湾において小型底びき網による漁獲調査を行い,入網状況と曳網時の底層溶存酸素飽和度(以下DO)を比較した.昼夜問わず,混獲物の採集量はDO22–36%で多く,漁獲物についても同様の傾向が見られ,貧酸素水塊(DO10%以下)の縁辺部は,混獲物量が多くなるとともに漁業収益性も増加すると考えられた.採集された種数や多様度指数(H*)にはDOと正の相関がみられたが,CPUEはDO22%で最大値がみられ,貧酸素に対する忌避行動に伴う集群により採集量が増大すると推定された.CPUE最大時のDO等が種間で異なった点は,溶存酸素に対する忌避応答性の違いを反映すると推定され,漁場では実験的な致死濃度(LC50等)より高い溶存酸素レベルで大型底生生物の健常分布が阻害されている可能性が考えられた.特に,漁獲量と漁獲金額のDOとの関係からDO20%以下では小型底びき網漁業は成り立たたないと考えられた.

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© 2015 一般社団法人 水産海洋学会
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