マサバ対馬暖流系群は主に日本,韓国,中国のまき網漁業により漁獲され,商業上重要な水産資源である.しかし,資源の生態についてはいまだ不明な部分が多い.また資源状態は1990年代以降低水準にあり,より効果的な資源管理が求められている.本稿では,分布回遊や系群,成熟など本資源の生態に関するこれまでの研究に加えて,漁業や資源評価など資源管理に関する知見を整理し,今後さらに研究を進めるべきテーマについて検討した.より効果的な資源管理のためには,加入量の変動メカニズムや回遊パターンの解明などとともに漁業の実態把握を国際的に協調して進めていく必要がある.