水産海洋研究
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Print ISSN : 0916-1562
原著論文
マツカワVerasper moseri 仔稚魚の耳石日周輪形成の確認および輪紋形成開始と水温の関係
城 幹昌 松田 泰平吉村 圭三
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2020 年 84 巻 1 号 p. 27-35

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抄録

重要な沿岸漁業資源であるマツカワVerasper moseri 仔稚魚を受精卵から飼育し,扁平石と礫石の微細構造の観察と,輪紋の形成日周性の確認を行った.両耳石とも,中央には特徴的な輪紋(チェック)が観察され,これは仔魚の開口と同じタイミングで形成され,発育初期の水温が低い方が仔魚の発育が遅く,輪紋形成開始も遅れることが確認された.チェックの外側には明瞭な輪紋が観察され,日齢と輪紋数の関係から,両耳石上に形成される輪紋は日周輪と判断された.眼球移動開始期仔魚の扁平石上に観察されはじめた二次原基は,仔稚魚期を通じて礫石上には観察されず,仔稚魚期を通じた日周輪解析に適していると判断された.北海道周辺でのマツカワ資源は人口種苗の大量放流開始後,増大し,最近では,天然再生産によって生み出された可能性が高い稚魚が採集され始めている.本研究はこういった天然稚魚の未詳の生態を明らかにするうえで重要な基礎を提供するものである.

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© 2020 一般社団法人 水産海洋学会
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