水産海洋研究
Online ISSN : 2435-2888
Print ISSN : 0916-1562
原著論文
瀬戸内海東部におけるアイゴの年齢・成長と産卵
山本 昌幸 棚田 教生元谷 剛小林 靖尚片山 知史
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 84 巻 3 号 p. 178-186

詳細
抄録

瀬戸内海東部のアイゴの資源生態を明らかにするため,2013年4–12月に岡山県,香川県,徳島県で漁獲された本種の年齢・成長と産卵期について調べた.標準体長は117–310 mmであった.生殖腺重量指数(GSI)は雌が0.04–40.36,雄が0.01–30.16となった.組織切片観察から,雌雄それぞれGSIが3.57と4.79以上の個体が成熟し,7月下旬に退行期の雌が観察された.GSIが3.57以上の雌と4.79以上の雄は,それぞれ6–8月と6–7月に出現した.さらに雌雄ともにGSIは6月中旬から7月に高くなった.耳石のチェックマークは6–8月に年1回形成された.最高年齢は雄と雌でそれぞれ4歳と8歳であった.雌雄の有意な成長差は認められなかった.成長式は,SLt=255 (1−e−0.56(t+0.95)), (SL:標準体長mm, t:年齢)となった.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 水産海洋学会
前の記事 次の記事
feedback
Top