2026 年 90 巻 1 号 p. 1-21
プラスチックなど海洋ゴミによる汚染が世界的な問題となっているが,鯨類でも摂食(誤食)を通した直接の影響が懸念されている.また食物連鎖を通した濃縮により,鯨類は海洋汚染の指標動物としての有用性も注目されている.本研究では,鯨類による摂食実態とその研究動向を把握するため,国内外の文献を網羅的に調査し,研究対象種,海域,漁具との関連,死因分析について整理した.また,鯨類による海洋ゴミ摂食の実態把握に向けた今後の調査体制構築に不可欠なコンタミネーション(汚染)対策についても重点的に整理した.また過去に商業捕獲された鯨類各種の調査記録を再分析した結果から,日本近海における鯨類の海洋ゴミ摂食実態についても報告する.