魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
論文
エゾバフンウニ斑点病原因菌Tenacibaculum sp. のVBNC状態からの蘇生に及ぼす鉄の影響
山瀬 智久澤辺 智雄久万 健志田島 研一
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 41 巻 1 号 p. 1-6

詳細
抄録

VBNCに移行したTenacibaculum sp. は鉄やカタラーゼの存在下で蘇生可能期間が著しく長くなることが明らかになった。ウニ種苗生産施設の近傍環境の鉄濃度は, 夏季に蘇生に必要な鉄濃度を超える時があり, 本菌が天然環境で蘇生する可能性が十分考えられた。さらに, 鉄存在下においてVBNC状態の菌をウニに暴露したところ, 本病が発生したことから, 種苗生産施設内における本病の発生に蘇生した本菌が関与していることが示唆された。

著者関連情報
© 2006 日本魚病学会
次の記事
feedback
Top