魚病研究
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短報
養殖アユの胸部の穴あき症状を伴う死亡事例
岡村 貴司
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2013 年 48 巻 3 号 p. 105-108

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抄録
 2012年6月に滋賀県下のアユ養殖場で,胸部に潰瘍から穴あき症状を呈して死亡する症例が見られた。細菌学的検査により,胸部体表患部と腎臓から Flavobacterium psychrophilum が分離されたことから,本事例は冷水病と判断されたが,これまでに胸部にのみ穴あき症状を呈する冷水病の死亡事例についての報告はない。そこで,予め微細な傷を胸部体表に付けて F. psychrophilum に浸漬感染させた結果,胸部に穴あき症状が再現され,累積死亡率は胸部に傷を付けた区の方が無処理区よりも有意に高くなった。一方,F. psychrophilum に浸漬感染させた後に,研磨シートを敷き詰めた水槽内で高密度飼育した場合には穴あき症状は再現されなかった。よって,胸部の傷がこの病徴につながることは明らかであるが,養殖場での飼育条件でこの病徴を起こす要因を確定し得なかった。
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© 2013 日本魚病学会
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