魚病研究
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短報
体表面の膨隆や出血症状を示すアユから分離されたAeromonas hydrophilaの性状および病原性
永井 崇裕
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2021 年 56 巻 1 号 p. 14-17

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抄録

2017年8月に広島県の養殖場において,細菌性冷水病に似た体表面の出血症状を示すアユの大量死が発生した。検査した全ての死亡魚の腎臓や体表出血部の筋肉から,運動性エロモナス症原因細菌であるA. hydrophilaが分離された。分離菌株の生化学的性状や薬剤感受性は,既報のアユ分離株と大部分が一致したが,病魚の症状は過去の事例と異なった。19および24°Cの飼育水で人為感染実験を実施したところ,両水温ともに症状を示さない状態で死亡魚が見られ,24°Cではより高い病原性が認められた。本結果は,本症例の病原体はA. hydrophilaであり,細菌性冷水病対策として昇温治療が実施されていた場合,被害がより大きくなっていたことを示唆している。

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© 2021 日本魚病学会
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