魚病研究
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養魚場内のアユポックスウイルスの汚染状況と冷凍保存感染魚の感染源としてのリスクに関する調査
石川 孝典 森 竜也髙木 優也渡邊 長生武田 維倫和田 新平佐野 元彦
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2025 年 60 巻 4 号 p. 207-209

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抄録

アユの異型細胞性鰓病(ACGD)の原因であるアユポックスウイルス(PaPV)の養魚場内での汚染状況を,スワブ法とPCR法を組み合わせて調査した。その結果,調査した8つの養殖施設のうち,7施設においてPaPVの汚染が確認され,その中にはACGD未発生の施設も存在した。さらに,-20°Cで冷凍保存したACGD病魚を用いた人為感染試験を行ったところ,投入20日後に異常遊泳を伴う死亡が始まり,鰓弁でPaPVが検出され,ACGDの病徴も観察された。これらのことから,養魚場でACGDを防ぐには,冷凍病魚の加工時に生じる解凍ドリップや排水によるPaPV汚染にも注意する必要があると考えられた。

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© 2025 日本魚病学会
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