魚病研究
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養殖ハマチの細菌性類結節症の原因菌に関する研究―II
血清学的性状による種の同定
楠田 理一川合 研児松井 隆史
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1978 年 13 巻 2 号 p. 79-83

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抄録
 類結節症の養殖ハマチから分離された原因菌の抗原構造をOuchterlony法と免疫電気泳動法によって調査するとともに,米国Chesapecke湾のwhite perchから分離されたPasteurella piscicidaおよびその分類学的類縁菌との血清学的な関係を調べた。その結果,わが国各地の養殖ハマチから分離された原因菌はすべて同一の沈降反応像を示し,血清学的に同一であった。原因菌は全菌体内に1つの耐熱性および4つの易熱性抗原をもち,菌体外に3つの易熱性抗原を有していた。原因菌の抗原構造は米国で分離されたPasteurella piscicidaともまったく一致し,前報の原因菌は生化学的性状からP. piscicidaに同定するのが妥当であるとの見解をうらづけた。また,アユから分離されたP. plecoglosacidaとは1本の共通する沈降線とspurを形成したが,その他の類縁菌はすべて交叉反応を示さなかった。
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