抄録
1974年4月,徳島県下の14の養殖場のアユの腸管および池水中のchloramphenicol(CM)耐性菌およびtetracycline(TC)耐性菌を定量的に分離した。那賀川で採捕された野生アユの腸管についても同様に行なった。その結果養殖アユの腸管あるいは池水よりCM耐性菌およびTC耐性菌が高頻度に検出された。一方,野生アユからはまったく耐性菌は検出されなかった。分離耐性菌種はAeromonas hydrophilaがもっとも多く,次いでVibrio anguillarumであった。他に腸内細菌群およびPseudomonasであった。伝達性RプラスミドはV.anguillarumの耐性株からもっとも多く検出され,腸内細菌群およびA.hydrophila耐性株の一部からも検出された。検出された伝達性Rプラスミドの耐性マーカーのほとんどはsulfonamides,streptomycin,CM,TCの4剤耐性であった。