魚病研究
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エリスロマイシンに関する魚病化学療法的研究―I
養殖ハマチにおける吸収,分布,排泄および残留性
片江 宏巳河野 薫清水 當尚楠田 理一谷口 道子塩満 捷夫長谷川 仁
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1980 年 15 巻 1 号 p. 7-16

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抄録

 養殖ハマチにA-66(本製剤1g中に日局エリスロマイシン100mg力価を含有する散剤,大日本製薬)をEMとして50mg/kg1回または1日1回10日間連続的に経口投与して魚体内濃度の測定を行ない次の結果を得た。1.EMを1回経口投与することにより各組織中のEM濃度は1~3時間で最高値に達し,肝臓,腎臓および脾臓は血液の約4倍の値で推移した。2.EMを10日間連続経口投与した後の各組織中濃度の推移は1回投与で得られた成績と類似しており,特定の臓器または組織に蓄積する傾向はみられなかった。3.EMの生物学的半減期は各組織により異なり,血液が最も短く(5.00~7.78時間),腎臓が最も長かった(14.32~15.89時間)。各組織中のEM濃度は投与後168時間ですべて定量限界以下となった。4.胆汁中のEM濃度は投与後144時間で定量限界以下となった。

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