魚病研究
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エリスロマイシンに関する魚病化学療法的研究―II
養殖ハマチの連鎖球菌症に対する野外治療効果
塩満 捷夫楠田 理一大須賀 穂作宗清 正廣
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1980 年 15 巻 1 号 p. 17-23

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抄録

 1. 養殖中のハマチ1年魚および2年魚に発生した連鎖球菌症に対して,EMは25~50mg/kg/日,4~7日間の混餌投与により治療効果を有することが認められた。2. EMはOTC(50~80mg/kg/日,5日間)およびABPC(20 mg/kg/日,8日間)混餌投与よりも本症による死亡率を顕著に低下させることが認められた。また,ABPC投与で無効であった病魚群に対してもEMは25mg/kg/日,5日間の投与により有効であった。3. EMによる治療後の観察において,本症の再発は認められず,EMに起因する異常魚の発生は認められなかった。4. 以上のことからEMは養殖ハマチの連鎖球菌症に対して有用な治療薬であり,その使用法としては25~50mg/kg/日,1日1回5~7日間の混餌投与が適当と考えられる。

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