魚病研究
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アマゴにAeromonas salmonicidaを接種した時の血液性状及び生菌数の消長
森川 進三木 知田代 文男
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1981 年 16 巻 1 号 p. 43-49

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抄録

 アマゴにせっそう病原因菌のA.salmonicidaを筋肉内接種し,血液性状の変化と,接種菌生菌数の消長について検討して次の結果を得た。1.菌接種魚は検査のために取り上げたものを除き,接種8日後にすべて斃死した。2.菌接種魚は定型的なせっそう病の外観症状を示したが,解剖所見では腸管の充・出血がみられず,自然発病魚と相違が見られた。3.菌接種魚は接種3,4日後より赤血球数,血色素量及び血漿蛋白量の減少,相対血球容積の低下がみられた。4.菌接種魚は接種2,3日後より,血液,肝臓及び腎臓において接種菌生菌が検出され,その後,肝臓及び腎臓で1070~8 cells/gに達した。5.接種菌生菌の魚体内分布について検討したところ,多くの器官から接種菌が検出され,全身感染に陥っていると考えられた。

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© 日本魚病学会
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