魚病研究
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各種病魚から分離されたStaphylococcus epidermidisの性状に関する研究―III
分離菌株と人由来菌株の血清学的性状の比較
杉山 昭博楠田 理一
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1981 年 16 巻 1 号 p. 35-41

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抄録
 高知,香川,三重および兵庫県の養殖ハマチ,マダイとウナギから分離されたS.epidermidisと人由来菌株の血清学的性状を,分離菌株および人由来菌株抗血清を用いて比較検討した。その結果,すべての分離菌株は人由来菌株と共通した抗原性をもち,また吸収試験から110-2とK110-1株が人由来菌株と類似した抗原構造をもつことが明らかになった。なお,110-1,110-3,110-4,110-5,110-6,110-7およびM110-1株は人由来菌株と特異的に異なる抗原構造をもつことが認められた。さらに,前報で作製した病魚分離菌株因子血清は複数の抗原因子に対して反応することが認められた。ゲル内沈降反応においては110-2とK110-1株は,人由来菌株と異なる抗原構造をもつことが明らかになった。
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© 日本魚病学会
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