抄録
急激な水温の低下がニホンウナギの腸内フローラならびに経口的に投与されたAeromonas hydrophilaの強毒菌株の腸管内における動向に及ぼす影響について検討した。低温処置1~2日後に,Streptococcusの増加,Aeromonasの減少が起こったが,3~4日後,両者の関係は逆転しAeromonasの増加,Streptococcusの減少が観察された。低温処置によって投与したA.hydrophila A10の腸管内滞在時間が延長されることが観察された。これらの現象は低温処置によって変化した魚体の生理機能が腸内フローラに変化を起こさせた結果であると推察された。