魚病研究
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八丈島産のニシキウズ科巻貝に寄生するセルカリアの2新種
志村 茂工藤 真弘
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1983 年 18 巻 3 号 p. 125-133

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抄録

 八丈島産のニシキウズ科巻貝のギンタカハマ,ウズイチモンジ,ヒメクボガイから2種類のセルカリアを検出し,新種と認めて,Cercaria hachijoensisとCercaria rhipidocaudataと命名記載した。前者は上記の3種の巻貝から得られた。切株状の尾を有する短尾セルカリアで,口吸盤内に単純な1尖頭の穿刺棘がある。腸管は長く,腹吸盤後端に達する。侵入腺細胞は5対である。排泄嚢は鈍三角形で,炎細胞式は2[(2+2)+(2+2)]=16である。セルカリアはスポロシスト内で発育する。後者はウズイチモンジから得られた。本種は3対の突起を備えた扇状の尾を有するのが特徴である。口吸盤内に1尖頭で肩の張つた2本の穿刺棘を備える。排泄嚢は棒状で,炎細胞式は2[(2+2)+(2+2)]=16である。セルカリアはレディア内で発育する。

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