魚病研究
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伊予灘に発生した単生類の鰓寄生によるカタクチイワシのへい死について
山本 賢治高木 修作松岡 学
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1984 年 19 巻 2 号 p. 119-123

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抄録
 1983年9月から10月にかけて, 愛媛県佐田岬半島北側の伊予灘でカタクチイワシの大量へい死が発生したので, その原因を調査した。へい死魚は岸に沿って30kmにわたって浮いており, その累積数は87000尾以上と推計された。これらの魚は全てやせて貧血症状を示していた。へい死魚155尾中 153尾(99%)の鰓から単生類のPseudanthocotyloides sp. (Mazocraeidae) が検出された。細菌検査および水質検査では異常は認められなかった。以上の結果から, 今回のへい死は寄生虫により発生したものと思われた。
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