東京大学農学部附属水産実験所で1982年4月から, 頭部が膨隆して死亡するウナギの細菌性疾病が流行した。この疾病の原因菌はグラム陰性で運動性はなく, カタラーゼ, チトクロームオキシダーゼ, ゼラチン液化, エクスリン加水分解, VP反応, 37℃での発育は陰性。糖を発酵的に分解し, クエン酸塩を利用, インドールを産生する。ONPG 試験, マルトース・マンニットの分解能に差がみられたが, これらの性状試験の結果, ならびに凝集反応, 沈降反応の結果より, この疾病の原因菌は金魚の穴あき病の原因菌と同一種と判断された。
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