抄録
鹿児島県下の養鰻場において頭部および体表に潰瘍を形成する疾病が発生し, 大量の斃死を伴った。その起因菌は色素非産の非定型のAeromonas salmonicidaであった。既知のミノウ, 金魚, 大西洋サケおよびコイより分離された非定型, A. salmonicidaとは生化学的性状において一致しなかった。血清学的には, A. salmonicidaの亜種 salmonicida masoucida および金魚由来の非定型の A. salmonicidaと共通抗原を有した。本菌は自己凝集性が有り, 菌体には“A”表層が観察された。