抄録
餌付けに伴うウナギ稚魚の腸内フローラの変化を調べた。採補直後のシナスウナギの腸管からは細菌は分離されなかったが, 餌付け開始後は, 内容物を含む腸管1gあたり106~107cfuの細菌が絶えず分離された。餌としてイトミミズを投与中のウナギ稚魚の腸内フローラは, イトミミズの細菌フローラと類似しており, イトミミズの細菌フローラがただ単にウナギ稚魚に移行したものと思われた。その後, 餌をイトミミズから配合飼料に替えていくに従って, Enterobacteriaceaeが有意に減少し, AeromonasとAcinetobacterが増加していく傾向が認められた。