魚病研究
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脊椎変形ブリの脳から分離された非溶血性連鎖球菌
飯田 貴次古川 清酒井 正博若林 久嗣
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1986 年 21 巻 1 号 p. 33-38

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抄録
 1. 静岡県浜名湖内の養殖ブリ脊稚変形魚のすべての脳から,各個体1種類,全部で2種類の連鎖球菌が分離された。2. 1つはブリ連鎖球菌症の原因菌でα溶血性Streptococcus sp.に同定されたが,もう1つは未知の非溶血性連鎖球菌であった。3. 非溶血性連鎖球菌の主な性状は次の通りである。すなわち,0.1%メチレンブルーミルク,6.5%食塩加培地,10%および40%肝汁加培地,10℃,45℃における発育性,60℃,30分間の生残性はすべて陰性, pH9.6における発育性は陽性であった。また,ブドウ糖ブイヨンにおける最終pHは4.5,ランスフィールドの血清型はAからGまでのどれにもあてはまらなかった。4. 以上の性状を今まで報告されている連鎖球菌と比較したところ,この非溶血性連鎖球菌の未記載の菌と判断された。5. この非溶血性連鎖球菌は,ブリに対する致死的病原性を有していた。
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