魚病研究
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養殖アユ稚魚の心室内血栓によるへい死について
畑井 喜司雄和田 新平山崎 芳則窪田 三朗
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1986 年 21 巻 1 号 p. 53-54

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抄録
 1984年12月下旬から1985年1月中旬にかけて, 神奈川県淡水魚増殖試験場の屋内にあるアユ稚魚飼育層の稚魚にへい死を伴う疾病が発生した。瀕死魚(体長:約3cm)の肉眼的所見は腹水貯溜を伴う腹部膨満および肝臓のうっ血・腫大であった。病理組織学的に検索した結果, 顕著な病変は心室に認められた血栓であった。アユ稚魚の死因はまず何らかの原因で心室筋に変性・壊死が生じ, 次いで血栓が形成され, それが高度になるに伴って全身状態が悪化したためと判断した。
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© 日本魚病学会
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