抄録
腹水症状を呈するブリ稚魚から分離したウイルス YAV を用い, 同一魚群のブリ稚魚を(約6g), 中(約3g)および小(約1.5g)の3郡に分けて感染実験を行った。浸漬感染後, 水温20℃で10日飼育した結果, 大型魚で22.0%, 中型魚で32.7%, 小型魚で54.8%が斃死し, 小型魚ほど斃死率が高かった。ウイルス感染による斃死魚のうち, 90%に腹水貯溜による腹部膨張が観察され, この症状は YAV 感染症の特徴と考えられた。水温25℃で飼育すると, 20℃に比べて腹水症状を呈するものは少なく, 斃死率も低かった。