魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
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IPNウイルス感染による細胞のエネルギー代謝変調
坂井 勝信
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1988 年 23 巻 3 号 p. 161-169

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抄録
 生RTG-2細胞の正味電荷を無担体電気泳動法により観察すると, MEM中では中性, グルコースでは正, 混合アミノ酸中では負であった。IPNウイルス感染RTG-2細胞は, 培養時間とともにMEM中で正に荷電し, この正荷電はグルコースで増強され, アミノ酸には影響されなかった。ウイルス感染細胞はグルコースにのみ脱水素酵素活性を示した。また, 非感染細胞に比べ乳酸脱水素酵素活性が顕著に高く, イソクエン酸およびリンゴ酸脱水素酵素活性は低下していた。細胞内には微量のATPしか含まれず, エネルギー欠損状態にあった。
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© 日本魚病学会
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