2020 年 29 巻 2 号 p. 311-316
【目的】本研究では,簡便に行える吸気筋トレーニングの指標獲得を目的とし,従来の提唱されてきた指標と主観的運動強度の指標を用いたトレーニングの効果比較を行った.
【対象と方法】健常成人40名を,修正Borg scale 2群,修正Borg scale 4群,初回測定30%固定群,対照群の計4群へ無作為に振り分け,トレーニング前,4週間後に呼吸機能,呼吸筋力を測定した.吸気筋トレーニングにはThreshold IMTを用いた.
【結果】最大吸気圧の変化量は,トレーニングを実施した3群は対照群に比べ,有意に高値であった.また,トレーニング群間では有意差を認めなかった.呼吸機能の変化量は,全ての群間で有意差を認めなかった.
【結語】吸気筋トレーニングの負荷設定は,主観的運動強度「修正Borg scale」を指標とした方法でも代用が可能となり,呼吸筋力の測定をせずとも介入できる可能性が示唆された.