抄録
1986年から1987年にかけて, 三陸沿岸で海中養殖されていたギンザケおよび岩手県下で淡水飼育されていたギンザケの異常魚において肝臓に特徴的な病変が認められ, それらについて病理組織学的検査を行った結果, その肝臓に蜂窩状壊死, 出血, 空胞変性が認められ, 脂肪染色においては, 強度の脂肪浸潤と類脂肪の沈着, 又, 若干ではあるがセロイドの沈着も観察された。なお, いずれの検体からも原因と考えられる細菌およびウイルスを分離しえなかった。これらのことから, この原因は栄養性要因であると判断した。