抄録
淡水馴致の前後におけるアユ稚魚(平均体重0.7g)の消化管内細菌数叢を比較したところ, 1尾当たりの菌数は10 3~10 4 CHUと殆ど変化しなかった。普通寒天培地(食塩0.5%)を用いて組成の変化を調べたところ, MoraxellaとPseundomonasが増加した後, Aeromonasが優占した。一方, ZOBELL's2216e寒天培地によれば, ニフルスチレン酸ナトリウム(NS)浴を施さずに馴致するとVibrioの割合が馴致前より増加したが, NS浴した場合は, Vibrioが62%から9%に激減した。淡水馴致中のNS浴がその後のビブリオ病予防に寄与する可能性が示唆された。