抄録
種々の生活期のサケ及びサクラマス幼魚におけるA.salmonicidaの保有状況を検討し以下の結果を得た。1.沿岸に回帰したサケ雌成魚の腎臓からはA.salmonicidaは検出されなかった。2.石狩川, 標津川及び西別川のサケ未成熟雌親魚からのA.salmonicidaの検出率は成熟雌親魚の検出率に比べ有意に低い値を示した。3.卵, サケ稚魚及びサクラマス幼魚からはA.salmonicidaは検出されなかった。4.以上の結果から成熟親魚から高率に分離されるA.salmonicidaの感染時期は河川湖上以降と判断された。