抄録
北海道10河川産のサケ, カラフトマス及びサクラマス成熟親魚それぞれ420尾, 120尾及び180尾について, 体腔液と腎臓からA. salmonicida の検出を試みた。腎臓よりは低率ではあるが, 体腔液からA. salmonicidaが検出され, 生菌数は106CFU/mlに及ぶことがあることが明らかになった。これらの結果に基づき, 保菌魚から排出される体腔液に起因する水平感染の可能性, 卵を介しての汚染の拡大, 更に現状の人工ふ化事業のサケ体腔液によるA. salmonicida 環境感染に警告を与えた。