魚病研究
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養殖トラヴグの“口白症”病原体の分離
井上 潔吉越 一馬高見 生雄
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1992 年 27 巻 2 号 p. 97-102

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抄録
 魚類株化細胞とトラフグの生殖腺由来初代細胞(PFG)を用いて“口白症”の原因ウイルスの分離を試みた。病魚の脳および腎臓の磨砕試料を, 常法により無菌濾過して培養細胞に接種した。その結果, 株化細胞では異常は認められなかったが, PFG細胞では原因ウイルスによると推定されるCPEが発現した。分離ウイルスによる感染実験では, トラフグ稚魚の高率な斃死のほか, 噛み合い行動と口吻部のフィルターで濾過したウイルス液による感染実験結果から, 病原ウイルスのサイズは50nm以下と考えられた。
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© 日本魚病学会
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