ブリの体表粘液をトヨパールHW-50で分画し, 粘液中の溶菌性物質の解析を試みた。各画分について, Micrococcus lysodeikticus とPasteurella piscicidaの凍結乾燥菌体に対する溶菌活性を調べたところ, 各菌体に対する活性のピークは互いに異なる画分に出現した。また, M.lysodeikticusとP.piscicidaのそれぞれに対して高い活性を示した各画分の反応至的pHならびに至適温度に差異がみられた。以上のことから, ブリの体表粘液中には性状の異なる複数の溶菌性物質が存在することが示唆された。