抄録
1985年, 宮城県内の1養魚場で飼育されたいたギンザケ幼魚(20-60g)に水カビ病が発生し, 飼育魚の50%以上もが斃死した。その後, 本病は同県内の数か所の養魚場にも発生し, 毎年5月末から7月上旬にかけて同程度の被害を与えている。病患部は主に頭部と尾部で, それらの部位には綿毛状の菌が繁茂していた。本病の発生と飼育水温の間には相関がないと判断された。菌の繁茂が見られる部位の筋肉を一部採取し, GY培地で培養した結果, Saprolegnia purasitica Coker が分離された。このことから本菌が本病の原因菌と考えられた。