1993 年 28 巻 3 号 p. 135-139
腎腫大症が発生するキンギョ養殖場の調査で, 貧毛類はエラミミズ1種のみ, それに寄生する放線胞子虫4種が発見された。腎腫大発病魚とエラミミズを同居飼育すると, エラミミズにおける放線胞子虫 Neoactinomyxonsp.の寄生率が対照区に比較して有意に増加した。また, N.sp.が寄生したエラミミズと無感染キンギョを同居させたところ, H.carassiiに感染したキンギョが得られた。以上のことから, 粘液胞子虫 H.carassiiの感染にエラミミズが関与していることが示唆された。