抄録
養殖ブリ“黄疸症”原因菌の8種類の薬剤に対する感受性を調べたところ, OTC, TC, EM, SPM, ABPC, OAに対して高い感受性を, NFS-Naに対してやや低い感受性をそれぞれ示したがSMMに対する感受性は認められなかった。ブリ幼魚の血管内に原因菌を接種した後, OTC, EM, SPM, ABPC, OAおよびSMMを5日間にわたって経口投与した結果, 無投薬対照区の死亡率が90%であったのに対して, 薬剤投与区の死亡率は0~20%と顕著に低く, 感染初期で摂餌が可能であれば, 適切な薬剤の経口投与によって“黄疸症”は防除し得ることが示唆された。