1996 年 31 巻 4 号 p. 191-196
養殖ニジマスにナリジクス酸(NA)を, またブリにニフルスチレン酸ナトリウム(NFS)を血管内投与して, それらの分布および排泄を薬物速度論的に検討した。両薬物の動態はいずれも2-コンパートメントモデルに最も適合した。分布相及び消失相における半減期は, NA ではそれぞれ1.4及び13時間, NFS では0.6及び7.7時間であった。ニジマス血清における NA の蛋白結合率は11%であり, ブリ血清では69%であった。ニジマスでの NA の bioavailability (F) は90%, ブリにおける NFS の F は9%と推定された。