抄録
大分県で20℃以下の低水温期に, 1993年にはアイナメ, 1994年にはヒラメおよびクロソイに日間死亡率が低いものの死亡が長く続く病気が発生した。細菌学的検査の結果, いずれの病魚からもほぼ純粋に1種類と思われる細菌が分離された。代表菌株を選び性状試験を行ったところ, 供試菌株はすべての結果が一致し, 非定型 Aeromonas salmonicida に同定された。さらに, ヒラメに対する腹腔内接種による攻撃試験により, 分離菌の病原性が確認されたことから, 今回の病気はこの非定型 A. salmonicida による感染症であったと判断された。