抄録
【緒言】地域緩和ケアサポートセンター(以下, センター)は, 「早期からの緩和ケアの実践」「緩和ケアの啓発」そして「地域連携推進」に取り組み, 緩和ケア, 在宅医療, 在宅での看取りに対する誤解・偏見の払拭を図り, がん患者の在宅緩和ケアの推進に努めてきた. センター活動とその結果について報告する. 【方法】センター開設後4年間(2009~2012年度)に行ってきた早期からの症状マネジメントに基づく外来・入院・在宅療養支援と, 院内外における緩和ケアの啓発および地域連携推進活動について評価した. 【結果】センター初診患者数・紹介患者数が増加し, 患者支援期間, 緩和ケア科と腫瘍診療科の併科期間が延長した. また, 在宅療養への移行率が向上し, 在宅療養期間は延長し, 在宅での看取り数が増加した. がん患者の療養と看取りの場が病院から在宅へ徐々に転換してきていることが示された.