魚病研究
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養殖ギンザケのヘルペスウイルス病の感染源と防除
熊谷 明高橋 清孝福田 穎穂
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1997 年 32 巻 2 号 p. 103-108

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抄録
 ギンザケのヘルペスウイルス(SaHV-2)病の感染源を検討した。海面飼育での本病の発生は特定の孵化場由来の種苗を導入した施設に限られていた。それら種苗からは海水馴到時にも SaHV-2 が分離され, 感染は淡水飼育中に起こると考えられた。ギンザケ以外に他のサケ科魚類も養殖している孵化場由来のギンザケ種苗では毎年本病の発生がみられ, その孵化場のニジマス親魚から, ギンザケに強い病原性を示す SaHV-2 が分離されることから, 孵化場で周年飼育されているギンザケ以外のサケ科魚類中で SaHV-2 の感染環が成立していると考えられた。
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© 日本魚病学会
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