魚病研究
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ウナギ好中球の殺菌における過酸化水素の重要性
伊藤 琢也飯田 貴次川津 浩嗣
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1997 年 32 巻 2 号 p. 121-125

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抄録

 ウナギ好中球の殺菌作用における活性酸素の関与を活性酸素消去剤を用いて検討した。過酸化水素の消去酵素であるカタラーゼのみがウナギ好中球の殺菌活性を抑制し, スーパーオキシドジスムターゼおよびハイドロキシルラジカルの消去剤では抑制効果がみられなかった。また, 食胞形成阻害剤であるサイトカラシン B(CB) で処理したウナギ好中球では殺菌活性が抑制されたが, CB 処理好中球ではカタラーゼによる殺菌活性抑制効果がみられなかった。以上より, ウナギ好中球の殺菌には過酸化水素が重要であり, その作用には食胞形成が必須であることが示された。

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