魚病研究
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トラフグに寄生する単生類ヘテロボツリウムの交尾と卵産生
小川 和夫
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1997 年 32 巻 4 号 p. 219-223

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抄録
 海水を入れたシャーレ内で実体顕微鏡を用いてヘテロボツリウムの交尾と卵形成過程を観察した。交尾は交接器を別の固体の体側面に押し当てて行われた。自家受精する固体もあった。個体差はあったが, 約2分サイクルで1個の卵が形成された。子宮内には最高1500を超える卵が計数された。卵と卵をつなぐ付属糸の長さから, 数珠状に連なった卵は最長2.8mあまりに達すると推定された。固定標本の計測から, 付属糸の長さは卵形成腔と子宮を結ぶ管の長さにほぼ匹敵することがわかった。
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© 日本魚病学会
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