外部寄生性鞭毛虫 Ichthyobodo は南北半球の亜寒帯から熱帯域の海洋に広く分布し, 海産魚24種と遡河性サケ科魚類3種より記録されている。 海産魚に寄生する Ichthyobodo は淡水魚に寄生する I.necator と形態的に類似するが, 交互感染実験により別種と判断されている。 本虫は宿主の体表や鰓に寄生し, 表皮層の激しい肥厚と壊死を起こし, ヒラメ, トラフグ, クロソイなど養殖魚の死亡原因となる。 特に飼育魚の初期生活期に大量死を起こし易い。 ホルマリンが駆虫剤として有効であるが, 新たな防除方法を確立する必要がある。